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「ゲイ・プライド」に首相が参加。セルビアはLGBTフレンドリー国家になれるか?

「ゲイ・プライド」に首相が参加。セルビアはLGBTフレンドリー国家になれるか?

先日、セルビアの首都(ベオグラード)で、LGBTの祭典「ゲイ・プライド」のパレードが開催された。そこに、同性愛者であることを公表している世界で数少ない政府指導者である、同国のアナ・ブルナビッチ首相が参加した。

だからといって、セルビアがLGBTフレンドリーな国であるかといえば、そうではない。むしろ、LGBTへの風当たりは強い。その証拠に、2010年に同パレードが開催された際には、同性愛反対を掲げるデモ隊と警察との間で衝突が発生。100人以上が負傷し、同イベントは以降3年間、開催禁止になっている。

しかしいま、その流れを国のトップが自ら変えようと奮起している。そこに世界が注目しないわけがない(最悪の最悪、命を狙われる可能性もあるのだから)。

やはりトップが動かなくてはいけない。そのことを再確認したニュースだった。それは日本も同じだ。では、日本の首相がレインボー・プライドに参加し、原宿を歩く日は来るだろうか?

ない、とは言い切れない。もしその日が来れば、大きなニュースとなり、それは世界を駆け巡るに違いない。かつて、カイワレ大根が病気(O-157)の原因になっているかもしれない、という風評被害が出た際も、当時の厚生省の大臣・菅直人氏がテレビの前で実食する映像が流れ、沈静化した記憶がある。

それほどに、国民は、「偉い人は危ない橋を渡らない」と考えている。逆にいえば、偉い人がしたことなのだから安心だと考えるのだ。

それはLGBT問題においても同様だろう。そのためには都知事の小池百合子氏、首相の安倍晋三氏に動いてもらうことは大きな意味を持つ(だからこそ、簡単に動けないわけだが)。それは政策うんぬんではなく、たとえばLGBTをカミングアウトしている人材に重職を任せるなど、そこからのスタートでもいいと思う。

そうして、LGBTであることが何の弊害にもならないと、彼らが宣言することで、企業もさらに変わるはずだ。

セルビアのニュースを見ていると、日本でも、それが現実になる日もそう遠くないようにも思える。それほどにLGBT問題は身近なものとなった。

いまだって、いつ、そんなニュースが流れてもおかしくはない日本には、少なくてもなっているはずだ。その日が来るのを楽しみにしたい。

<参考>
AFP BB NEWS「セルビアで「ゲイ・プライド」パレード、同性愛公表の首相が初参加」

2018.04.11

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広告、雑誌、ウェブを中心に記事や動画の構成台本を執筆。ジャンルを問わず幅広く活躍中。