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GIDの僕が感じたこと ~フジテレビLGBT軽視騒動の件~

GIDの僕が感じたこと ~フジテレビLGBT軽視騒動の件~

昔のテレビ番組でやっていた「ホモ」を題材としたキャラクターが再登場し、炎上した、というニュースを目にしました。

ぼくは内容を全く知らなかったため、何のことだか分かりませんでしたが、やけに長い期間報道しているなと思っていたら、テレビ局がキャラクターに関する視聴者の抗議に対して謝罪をしたとのことでした。

その対応に対しては賛否両論。「謝罪をして当然」、「認識が甘い」という声もあれば、「なぜこれが差別になるのか」、「テレビが面白くなくなる」などたくさんの声が届いたようです。

GID(性同一性障害)当事者の僕が感じたことは、確かに当時は、それが原因でいじめに遭ったり、何か言われた人もいたかもしれません。

僕自身も昔、オナベの人がテレビに出ていただけで、同級生から「自分のこともそう思われるのではないか?」と不安な気持ちになったこともあるので、不快な思いをした人の気持ちは分かるつもりです。

ですが、余りにLGBT当事者や支援者の方々が過剰に反応しすぎると、自分で自分の首をしめてしまう恐れも出て来るのではないかなと感じます。

敏感になり過ぎてしまうことによって、身近な理解者になってもらえるかもしれない人たちや、大切な人たちに、「余り触れてはいけない事で、聞いてはいけないことなんだ」と変に気を使わせてしまい、相手は理解出来ないままどこまで踏み込んでいいのか分からず、壁が出来てしまう可能性もあると思います。

まさに、僕の場合がそうでした。今思うと、分からないから色々聞いて来ていただけなのに、過剰に反応して、怒っているように対応してしまったことがありました。今となっては、申し訳なかったなと思います。

たくさんの人がテレビを見ていますから、それぞれが、さまざまな場面で色んな思いを抱くと思います。報道規制も厳しい今の日本では、もしかすると今回の騒動は起こって当たり前なのかもしれません。しかし、この炎上の件で「LGBT当事者は面倒くさい」などと、嫌なイメージを持つ人たちが出てしまっては、理解は進みません。

そうならないことを、僕は願います。

2017.10.20

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NAO

NAO

大阪在住。幼少から性の不一致で苦しんだ自身の体験を広く伝えたいと、本メディアでライターデビュー。これまでのこと、日々のさまざまなことをコラムとして自分目線で紹介する。