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LGBTフレンドリー県・沖縄、「ピンクドット沖縄」に過去最多の参加!

LGBTフレンドリー県・沖縄、「ピンクドット沖縄」に過去最多の参加!

沖縄タイムスによれば、性的少数者たちが生きやすい社会の実現を目指すイベント「ピンクドット沖縄2017」が先日開催され、協賛・後援企業も参加者も過去最高を記録したとのことだ(ちなみに参加者2900人!)。

同イベントは、当事者や支援者たちが賛同の意思を示すピンク色のものを身につけて集まり、思いを共有するものだ。

少し前もLGBTフレンドリーな企業として、沖縄のホテルが選出されたりと、早々に沖縄はLGBTフレンドリー県へと舵を切った印象がある。そのことも、今回の結果に影響しているのではないだろうか。

イベントには子どもも参加していたそうで、「幼い頃からLGBT教育を進めよう」という県内の空気をそこに感じることができる。やはり沖縄は、日本においてLGBT先進県なのだろう。

そこには沖縄特有の「なんくるないさー(何とかなるさ)」精神も関係しているのかもしれない。ちなみに「なんくるないさー」は、終戦後の仕事もままならない苦労も多い時代に、お互いを、そして自分を励ます言葉として使われていたそうだ。

そんな過去を背負う沖縄だからこそ、性的マイノリティとして生まれても、「なんくるないさー」の精神が彼らを支えてくれるのかもしれない。しかも、いまとなっては県全体が「なんくるないさー」と受け入れてくれる環境すら整いつつある。この状況は、他県に比べれば非常に恵まれているだろう。

県民性と風土、その両方がLGBTフレンドリーな沖縄を築いたと筆者は思う。いっぽう東京は、ドライな人間たちの集まりだ(優しい人もいるが、沖縄の優しいとはまた少し毛色が違う)。基本、落ちる人間は放置し、上がる人間には嫉妬するか群がるか。職を失った人間に「大丈夫」と励ます人間はいても、心の底から「大丈夫」と思っている人間は少ない気がする。どこか他人事として、「大丈夫」を使っているように思うし、受け手も気休めと受け止めているように思う。

東京の激しい競争社会で生き抜くためには、強さが求められる。強くなくては生きていけない。誰かの優しさを疑わずに、まっすぐ信じるのだって強さがいる。なぜなら、裏切られて動じていては東京では生きていけないからだ。傷ついてでも前進し続ける。それが東京の正しい歩き方だ。

そんなドライで現実的な東京がLGBTを受け入れるというのは、やはりなかなか大変なことだ。周囲を見ていても、友人や知人がLGBTであることは寛容だが、いざ家族がLGBTとわかれば、話はまるで違うように思う。他人は他人。勝手にどうぞ、なのだ。

だから表面的に東京はLGBTを受け入れているに見えて、深い部分ではまだ、受け入れていない。それはまるで東京に渦巻く本音と建前に似ている。東京では、多くの人が「はみ出したくない」と思いながら、自分らしく生きたいと願っている。そんな矛盾を抱えて過ごす日常同様に、LGBTに対しても表面的には受け入れムードが進んでいる。

だから沖縄よりも東京の方が実は、よっぽど保守的な街なのだ。ある種、はみ出し者ともいえるLGBTを本当の意味で東京が受け入れるには、東京に流れる空気感すら根底から変える必要があるのかもしれない。

<参考>
沖縄タイムス「性の多様性、広がる理解 「ピンクドット沖縄」過去最多2900人参加」

2017.09.29

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広告、雑誌、ウェブを中心に記事や動画の構成台本を執筆。ジャンルを問わず幅広く活躍中。