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将来、「女性限定イベント」にトランスジェンダーは参加可能になるか?

将来、「女性限定イベント」にトランスジェンダーは参加可能になるか?

ネットニュースで、イギリスの少年がディズニーランド・パリの“princess for a day(1日プリンセス体験)”に予約をするも、「男の子だから参加はできない」という理由でディズニー側に断られた、というニュースがあった。

結局は騒動が大きくなったこともあってか、ディズニーランド・パリは謝罪し、「受け入れる」ことを決めた。その判断には少年がまだ3歳の子どもだったことも大きく影響していそうだ。

似たようなことは今後、きっと起こると筆者は思う。たとえば「女性限定イベント」に、トランスジェンダーは参加できるようになるだろうか? その線引きは決して簡単ではないが、おそらく「見た目が女性であれば」、トランスジェンダーでも参加可能になるのではないだろうか。しかしその場合、主催者としては「トランスジェンダーであることを確認したくはない(事前把握していたくない)」だろう。

なぜなら1億総クレーマー時代の現代、何がクレームにつながるかわからないからだ。主催者が中立の立場を表明していても、まだまだLGBTへの理解は浅い。LGBTの意味は知っていても、実際に出会ったことがない人もいる。そこに突然、トランスジェンダーが混ざっていたら、驚くというか、どうしていいかわからない人も必ず現れる。

主催者の論点は、普通の女性とトランジェンダー、どちらに配慮をすべきか。国際的なイベントなら「トランジェンダー」かもしれないが、多数決で考えれば、「普通の女性」に軍配が上がるだろう。単純に、その方が利益とつながるからだ。

そう考えていくと、性同一性障害の人が「本当の意味で平等に扱われる」ことは非常に難しいことなのかもしれない。だから社会ではなく、本人が強くならなくてはいけない。

悲観せず、受け入れる。その一歩が同じ境遇の誰かを励ますことにもなる。だから前を向いてほしい。自分のためにも、他人のためにも。

もしかすると現在、立場は違えど、何かに対して悲観し、絶望している人たちもいるだろう。その人たちは、上記のようなキレイ事も受け入れられる状況ではないかもしれない。

しかし一方、北朝鮮では、ハリウッド映画を見ただけで殺されてしまう現実がある。それこそが真の意味で絶望的な状況ではないだろうか。いまあなたが絶望の淵にいるように思えてならないのは、視野が狭くなっているから、ということはないだろうか? いつもとは違うどこかへ足を運ぶ、知らない人に会ってみる。そんなことで視野は広くなり、不思議と気持ちも楽になる。

どうせ絶望するのなら、もう少し世界に触れてからでも遅くはない。まずは一歩、踏み出してみてはどうだろう。

<参考>
Tech insight「【海外発!Breaking News】「1日プリンセス」への参加を断られた男児 ディズニーランド・パリが後に謝罪」

2017.09.19

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広告、雑誌、ウェブを中心に記事や動画の構成台本を執筆。ジャンルを問わず幅広く活躍中。