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熊本被災地活動を経てから感じる日常生活での心の変化

熊本被災地活動を経てから感じる日常生活での心の変化

熊本でのLGBT調査の活動を終え、地元・大阪へ戻ってきました。

体感としてはホッとしているような、少し寂しいような気持ちもありますが、特になにか大阪で活動を行っているわけではないため、今のところ大きく変わったところはないように感じています。

ですが、日常の生活面では自分の中で変化がありました。

一言でいうと、あまり人の目が気にならなくなったということです。以前だと、買い物に行ったり出掛けたりしているときに、自分がGID(性同一性障害)であるが故に、戸籍変更が済んで男性として生きている今でも、他の人に自分がどう映っているのかが分からなくて、「どんな風に思われているんだろう?」という不安や恐怖から、お店の人に話しかけられたり、知らない人と話すことが好きではなく、出来るだけ避けていました。

そして、自分が戸籍変更したことを知らない同級生や知り合いに知られることも絶対に嫌で、そういったことからも接触を避けて来たのですが、これまでのそういった気持ちが気付けばなくなっていて、「知られたら知られたで構わないし、それをなにか思われたとしても、その人と一生付き合うわけでもないのに関係ないことだな」と、自然に思うことが出来るようになっていました。

外に出て買い物をする際にも、普通に店員さんと話をすることが出来ていたり、本当に何気ないことが普通に出来ていることに気が付きました。

他にも、以前はLGBT関連の記事や物事を目にすると、自分を受け入れることが出来ていなかったため、それからも目を逸らしていたのですが、それもなくなり、今は逆にそういった記事などを目にすると、しっかり目を通すようになりました。

これは、熊本で色んな人に自分のことをカミングアウトしながら活動をしたり、現地の当事者の人たちと色々話が出来たりしたからこそ得られた気持ちの変化なんだろうと思います。

活動中は、表に出ることが嫌になったり知られることがしんどく感じたりといったこともありましたが、この経験がなかったら、これから先、何も変わらずにこれまで通り、人の目を気にしながらビクビク生きていたんだろうなと思うと、一歩を踏み出し、やってみて良かったと心から思います。

これからもGIDとしての自分とは一生の付き合いになりますが、たくさん笑ってたくさん人生を楽しみたいと思います。

2017.09.08

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NAO

NAO

大阪在住。幼少から性の不一致で苦しんだ自身の体験を広く伝えたいと、本メディアでライターデビュー。これまでのこと、日々のさまざまなことをコラムとして自分目線で紹介する。