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蝶は二度、蜘蛛の巣にかかる ~MTFの痴漢被害の実態~ 最終回(全三回)

蝶は二度、蜘蛛の巣にかかる ~MTFの痴漢被害の実態~ 最終回(全三回)

痴漢にあって警察へ相談にいった私は、そこで、警察官に心無い言葉を投げられ…(第二回より)

この内容を簡潔に話した動画をYouTubeに上げ、SNSでも発信したところ、沢山の人がTwitterでリツイートや“いいね”をして下さいました。賛同や怒り、そして私の事なのに、涙を流したというコメントをしてくれる人まで現れました。

そして、その反響の中で私が知ったのは、生れながらの女性ですら、同じように被害を受け、警察に相談したところ、「性の対象として見られて良かったじゃないですか」と侮辱的な言葉を警察官に言われた事がある。という事でした。

トランスジェンダーのMTFと、生れながらの女性が抱える問題は、“女性”として生きる全ての人にあてはまる問題ということになります。そうであるならば、私は性別適合手術を受け、戸籍の性別を変更し、国が認めた“女性”という立場になっても、「女性に思われてよかった」から「性の対象として見られてよかった」になるだけで、根本的な問題からは逃れられないという事になります。

皆さん、こんな世の中をどう思いますか?

今回の例では警察が登場しますが、すべての警察が、このような対応をしているということではありません。あくまで、例のひとつであり、警察以外でも、日常生活の中でも同じように傷つく思いをしたことがあります。

当事者や被害者は、とても弱いです。そして、当事者や被害者は表立ったところに出て、こういった発言をする事を嫌います。それは当たり前です。何故ならば、世間に自身の話を公表する事は、今の世の中では自身の生活を変えてしまう程の影響があるからです。

そんなリスクを背負った上で、このような事を発信する人はきっと僅かでしょう。

という事は、泣き寝入りしている人たちが、どれだけいるのか計り知れないという事です。私のこの事件はたった1つの事例でしか無いのです。どれだけの人が、被害者になり、どんな悔しい思いをしているのか、それは想像も出来ない程です。

だからこそ、私は発信をしていこうと思いました。

当事者が声をあげると、今まで蔑まれ、侮辱された事実が明るみに出て来ます。
すると次はどのようになるでしょう?
ぞんざいに扱ってきた社会、団体、時には個人の地位や評価は下がるでしょう。
そしてきっとこの先、世界が変わる事を私は信じています。

多くの当事者が今、願うだけではなく、世界を本気で変えようと動き出しています。
当事者のそれぞれのチカラは今、まだ小さいかも知れません。

でも思いは1つです。

その思いが重なった時どれだけのチカラが生まれるでしょうか?
きっと誰もが想像出来ない程の力だと私は思います。

私はそんな思いを信じて、これからもYouTubeというステージを使い発信を続けていこうと思います。

最後まで、読んで頂いてありがとうございました。

※YouTubeでこの内容の動画をみる → https://www.youtube.com/watch?v=BDlwm7Zsm10&t=298s

※第一回はこちら

2017.08.05

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