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なぜ大学のLGBTサークル不認可に?

なぜ大学のLGBTサークル不認可に?

上毛新聞によれば、群馬県の大学のLGBTサークル「まいとぴあ」が、大学側の公認を得ようと申請していたところ、不認可という回答になったそうだ。

LGBTの学生組織は全国で広がっており、東京大学、早稲田大学、明治大学などには大学公認のLGBTサークルや学生団体が存在しているという。

大学側の言い分は「秘密を口外されるなど、リスクマネジメントの部分が準備不足」とのことだ。これではまるで、LGBTサークルに入る人間は、LGBT当事者しかいない、と言っているようなものだ。

もちろんその中心に、当事者の存在は不可欠だ。実際「まいとぴあ」の幹部も同性愛者だそうだし、「自分の痛みを知ってほしい!」と訴える当事者なしに、人は集まりにくいとも考えられる。

しかし、いまの若者の正義を、大人は本当に正しく判断できるのだろうか。カルチャーも違えば、考え方も違う。LGBTへの捉え方だって、昔といまではまるで違うはずだ。少なくとも、昔よりLGBTは遠い存在ではなくなったはずだ。

なのに、公認は得られない。ちなみに群馬に同様のサークルはないそうだから、東京ではOKでも、群馬ではNGというのが現状といえる。保守的であることを非難するつもりはないが、やりながら軌道修正していく方法もあると思う。

たとえば、入会時に活動をすることでさまざまなリスクを背負う可能性があるが、その一切は個人の責任とする、という規約を決める。それだけでも、気軽に入会する人間はいなくなり、本当に意志のある人間だけが集まるだろう。

「安心していられる場所」。それを見つけることができたなら、人生は非常に豊かになる。LGBT当事者は秘密を抱えて生きている以上、他の人に比べ、そういった場所を見つけにくいのではないだろうか。だからこうした場を大学公認で提供することは、大きな意義のあることだと筆者は思う。

子育てをして初めて知ることがあるように、LGBT当事者に触れ、初めて知ることだってもちろんあるのだ。知らずに人を傷つけてしまうことがないように、もっとLGBTのことを多くの人が知らなければいけない。

ぜひ「まいとぴあ」には、大学が無視できないほど拡大してもらい、大学の公認を受けてもらいたい。

<参考>
上毛新聞「LGBTサークル公認 認めず 東京福祉大「準備不足」」

2017.07.31

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広告、雑誌、ウェブを中心に記事や動画の構成台本を執筆。ジャンルを問わず幅広く活躍中。