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手術前のトランスジェンダーは、男湯と女湯のどちらに入るべきか?

手術前のトランスジェンダーは、男湯と女湯のどちらに入るべきか?

週刊SPA!に、下呂温泉でニューハーフダンサーをしているタイ人女性(心は女性、身体は男性)の記事が上がっていた。

その記事によれば、彼女は性転換手術をしていない(男性器は付いたまま)が、見た目は女性そのもの。温泉に入るときは男湯と女湯どちらに入っているかを聞かれると「女湯」と答えている。

知り合いにトランスジェンダーの人(元々は、身体は女性、心は男性。現在は性転換し、性別も男性になっている)がいるが、男女をわけたものを利用しづらかった、と語っているのを聞いたことがある。

それは男子トイレ、女子トイレもそうだし、更衣室だってそうだ。もちろん温泉だって同じだろう。だからその知り合いは、「会社で旅行があっても、理由をつけて、行かないようにしている」と言っていた。

しかしLGBT先進国、タイのニューハーフの方は、迷うことなく、女湯を選んでいる。ここには、彼女は外国人(だから他の人も大目に見ている)ということも関係しているのかもしれないが、やはり上半身だけ見れば「女性に見える」というのも大きいように思う。

問題は、他の女性客が「女湯に男が入ってきた」と思うことであって、気付かなければ、何の問題もないのだ。つまり彼女の場合、下さえ、ちゃんと隠し通せれば、波風ひとつ起こすことなく、温泉を堪能できる状況にあるのだ。

となれば、性転換手術をしていなくても、見た目さえ心の性に一致して見えれば、すべてのトランスジェンダーは、心の性で、男湯か女湯を選べるのではないだろうか?

もちろん陰部を隠しながら入る温泉が楽しいかどうか、という問題もある。たしかに男湯で女性器を目撃することも、女湯で男性器を目撃することも、かなりの衝撃だし、バレたら大変だと思う。

しかしこの記事は、ひとつの可能性を示してくれたような気がする。その可能性とは、「バレなければ、心の性で銭湯も楽しめる」ということだ。誰もがそうまでして銭湯に入りたいかどうかは、わからない。それでも「できない」と簡単に決め付けるのは、実にもったいないと筆者は思う。

<参考>
週刊SPA!「美しすぎるタイ人ニューハーフが日本の下呂温泉で働く理由」

2017.06.09

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広告、雑誌、ウェブを中心に記事や動画の構成台本を執筆。ジャンルを問わず幅広く活躍中。