ぼくには、成宮寛貴さんが引退した理由が痛いほどわかる
芸能界を引退することになった成宮寛貴さん。彼についてぼくが感じたことを少し書いてみようと思います。
ぼく自身、元々芸能人に詳しい訳ではないのですが、たくさんのドラマやCMに出演しているところを見ていたので、彼のことはもちろん知っていました。
かっこいいし、演技もうまいと思うし、素晴らしい俳優だと思っていました。正直これからもあるのに「引退するのは、もったいない」のではないかなと個人的には感じてもいました。
ただ、セクシャルな部分が公になってしまったことの辛さや、逃げたくなる気持ちが、ぼくには痛いほど、わかります。
連日のニュースでは、海外に行ったことに対して、「薬物追及から逃げた」などと言われているようですが、本人からすると「セクシャルな部分など、プライバシーの暴露に耐えられない」とおっしゃっているように、事実がどうであれ、ぼくがその立場だったとすれば、逃げたい気持ちになりますし、自分のことを誰も知らないところに行きたくなると思います。
それが「逃げ」と捉えられるのであれば、仕方がないかもしれません。セクシャルなことに関しては、成宮さんだけに限らず、過去にも芸能人がゲイの疑いがかかり、騒がれているのを見聞きしたことが何度かあります。
同じ人間を好きになっているだけなのに、性別が違うだけでここまで好奇の目で見られたり、差別的な言葉を投げつけられたりする世界。これはなぜなんなんだろうと、虚しさや憤りを、そのたびに感じていました。そうした状況を見る限り、LGBTに関して、しっかりと多くの人に理解される日は、もう少し先になるようにも感じています。
もっとシンプルに、「ただ人が人を好きになっている」という視点で物事を捉えてくれる方が増えて欲しいと、願わずにはいられません。LGBTそのものを深く理解することは出来なくても、その人を自然に受け入れることは出来るはずです。
今はただ、同じことが二度と起きないことを祈るばかりです。

NAO
大阪在住。幼少から性の不一致で苦しんだ自身の体験を広く伝えたいと、本メディアでライターデビュー。これまでのこと、日々のさまざまなことをコラムとして自分目線で紹介する。