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後天的なGID ~家庭環境が影響するケースも~

後天的なGID ~家庭環境が影響するケースも~

GIDにも先天的なものと後天的なものがあるようです。精神科の先生いわく、僕は『後天的』にあたるみたいです。

先天的な人は、物心ついたときからすでに大きな違和感を持っているみたいで、原因はハッキリとは分からないのだそうです――これは僕が10年以上も前に大阪の精神科に通っていた時に受けた説明なので、今はもしかすると分かっているのかも知れません。

そして、後天的な人は日常生活をする上で何かがあった人に多いのだと聞きました。僕が初めて精神科に行ったときに聞かれた先生の初めの一言は、『家族でだれか暴力をふるう人がいますか?』でした。

僕はドキッとしました。うちには母親に暴力をふるう父親がいましたから。

この質問が一番に来るということは、これが一番原因として多いんだなと思いました。この瞬間、とても親が憎くなったことを覚えています。もちろん今はそんなこと微塵も思っていませんが、きっと当時は、人のせいにして、自分は悪くない、周りのせいで自分はこんな病気になったんだと逃げ道を作ることが楽だったんでしょう。

実際、自分の知っているGIDの人にも聞いてみるとやはり家族の人が暴力をふるっていたりと、家庭環境があまり良くない人が多いように思いました。だけどみんな、もちろんそれを誰かのせいにしたりしてる人は自分の周りにはひとりもいません。それどころか、みんな明るいししっかり自分を持っています。

これからカウンセリングや治療を考えたりしている人たちは、まだまだたくさんいると思います。まずは、身近な人にカミングアウトする人もいるでしょう。みんなが受け入れてくれる環境の人もいれば、中には受け入れてもらえなかったり、辛いことを言われたりすることがある人もいるかもしれません。

だけど、理解して受け入れてくれる人が、ひとりでもいれば、それが本当に大きな支えになりますし、希望になります。

絶対に諦めたり立ち止まって、ひとりで抱え込まないでください。辛いことばっかりじゃないです。もしあなたを受け入れてくれる人がひとりでも現れれば、誰よりも人の優しさや温かさ、ありがたみが分かるようになると思います。

当事者ではない人、もし自分の学校や友達、会社、周りで、GIDの人かもしれない人がいる場合は、どうか話を聞いて、受け入れてあげてください。あなたが初めての理解者だった場合には、それだけでその人は、救われるような気持ちになるのですから。

2016.06.26

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NAO

NAO

大阪在住。幼少から性の不一致で苦しんだ自身の体験を広く伝えたいと、本メディアでライターデビュー。これまでのこと、日々のさまざまなことをコラムとして自分目線で紹介する。